第36回 銀座古書の市 参加店紹介 あがたの森書房
参加店紹介、10回目は京都市の「あがたの森書房」さんです。
和本、古典籍、美術書、民芸に関する本などを扱っています。
あがたの森書房
〒606-8417 京都市左京区浄土寺西田町15-6
Tel 075-708-2965 Fax 075-708-2264
URL https://agatanomori.ocnk.net/
MAIL shobo@agatanomori.ocnk.net
「松原新右衛門朝鮮物語」 松原新右衛門は対馬藩の朝鮮通詞で、朝鮮にも数年にわたり赴任しました。のち萩藩に出仕した際、朝鮮で見聞きしたことをまとめたものが本書です。江戸時代における日朝関係、また当時の朝鮮の風俗もたくさん記されています。いくつかご紹介します。
・朝鮮では子供がわるさをすると、親は「倭奴が来るぞ!」と言って怖がらせた。
・朝鮮の刀は日本刀と同じ形である。
・肉食の風習がある朝鮮では、日本の薬(または「茶」か)が肉食後の胸を脾下すると重宝がられ、朝鮮国王は宇治の薬を愛飲していた。
などなど、日朝間の面白いエピソードが250条も記されております。
ぜひ会場にてご覧ください。
「坤與全図」 非常に大きな漢訳世界図で、康熙帝に仕えたベルギー人耶蘇会士のフェルディナンド・フェルビーストが制作したものを、それからおよそ200年後に朝鮮で復刻したものです。実在、幻想を含め様々な動物の絵が描かれているのが特色で、一角獣や巨大な海獣、サイの姿も見えます。ところでこのサイ、やや線に粗さはありますが、ルネサンスの版画家、デューラーの描く「犀」の図にそっくりです。ぜひ現場にてお確かめいただければと思います。