銀座 古書の市

例年、松屋銀座にて開催される「銀座 古書の市」のお知らせブログです。

日本書房の会場販売品

 

 

2019年もあとわずか。今年も面白い展覧会がありました。顔真卿に始まり、五文庫連携の書誌学展やサントリー暁斎、三井の素朴絵などなど。中でも京都国立博物館の佐竹本三十六歌仙は盛況だったようです。会場にて販売するもののひとつに、佐竹本三十六歌仙の木版複製があります。大正頃に切断する前に田中親美監修で制作された二軸の木版複製ではなく、昭和四年に信栄堂にて木版複製されたものです。こちらは、巻子ではなく、月一回、三葉を購入希望者に頒布したものです。はじめから分断されたいたものということになります。こちらを一枚ずつ分売いたします。全三十六枚、一堂に集結、と言いたいところですが、何葉か欠けていますので、叶いませんでした。古色、汚れ、皺、剥落も再現しております。ちなみに掲載写真(家持)のしみはもとのシミではなく、あとからのしみです。増えちゃってました。

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もう一つ、似たような複製ものを紹介します。美麗な料紙、精微な筆致の名物切を複製した、田中親美監修、福田喜兵衛による料紙製作の古筆手鑑『松かけ帖』の未装本を分売いたします。こちらも全葉はありませんが、石山切や高野切、金沢本万葉集など平安時代の美を感じ取れる逸品の数々をご用意いたしました。皆様のご来場お待ちしております。

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